四柱推命の十二運のひとつ「病」について解説していきます。
十二運「病」の象意
「十二運」とは、人の一生になぞらえ分けられた、十二種類の運勢です。「胎」「養」「長生」「沐浴」「冠帯」「建禄」「帝旺」「衰」「病」「死」「墓」「絶」…と、胎児から赤ちゃん、子供、思春期、社会人へと成長し、地位を得てトップに立ち、その後、老後に病気になると死を迎え、お墓に埋葬されてあの世へ旅立ちます。そして、また胎児になり…という、人の一生の“盛衰、サイクル”を表しています。
「病」はその中で、肉体をもった最後の時代である“病人”にあたります。
「十二運」では、どの状態でのエネルギーを持って生まれてたのかがわかり、その人の性格や才能、生き方、運勢、エネルギーの大きさ、などが読みとれます。特に日柱の影響が強く、次点が月柱の十二運です。日柱の十二運がプライベートで見せる顔、月柱の十二運が他人に見せる顔ともされています。四柱推命では、十二運の「病」ですが、算命学では十二大従星の「天胡星」という名前になります。また、動物占いでは「子守熊」にあたります。
十二運【四柱推命】 | 病(びょう) |
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十二大従星【算命学】 | 天胡星(てんこせい) |
動物占い | 子守熊(こあら) |
運の強弱 | 弱 |
エネルギー値 | 4 |
人生の流れ | 病人 |
裏星 | 長生(ちょうせい) |
病、潔癖、弱気、取り越し苦労、優柔不断、衰退、静寂、感性、敏感、芸能、芸術、音楽、医者、看護師、ボランティア、知恵、宗教など
「病」の性格・特徴
「病」の性格・特徴をわかりやすくまとめると…
- イマジネーション力が強い
- 感受性豊か
- 人の痛みがわかる
- 勘が鋭い
- 潔癖症
- 二面性がある
「病」は、隠居生活を送る「衰」の時代から、身体が衰弱し病に伏した状態を表した“病人の星”です。衰えているので肉体の自由は利きませんが、そのぶん頭と心の中では自由な発想力が生まれます。
アンバランスな肉体と精神の状態から、繊細な感性をもつことになり、「病」の空想や妄想の力は並みではありません。美意識がつよく音にも敏感。次々とアイデアを生み出すことができるので、音楽家や芸術家として優れた才能を発揮することができます。
病人が肉体に苦痛を抱えるように、「病」の人は人の痛みにも敏感。同情心が厚く温もりのある人です。争いを好まず人当たりもソフト。楽しいことが大好きで、人を楽しませるサービス精神や面倒見のよさもあるので周囲に慕われることが多いでしょう。フェロモンが漂う存在感もあります。痛みは神経に対する集中力にも繋がり、肉体が現実にありながら精神が夢や過去、未来を行き来するため、「病」は、直感力がとても鋭いのも特徴です。
様々なものをキャッチするので、新たなものを発見、発明したり、想像していたことが現実に起きるなど予知的な力もあるでしょう。ただ、人の気も受けやすいので、良くない環境にいると体調を崩してしまうことも。
「病」の人は、潔癖症なところがあるため、不潔な人や物を嫌います。のんびりしていて穏やかそうに見られがちですが、実は結構気が短く、人の好き嫌いも激しめ。計算高く、周りをよく観察しているので、いざとなれば自分のプラスになるように働きかけるのはお手のものです。また、喜怒哀楽がそのまま態度に表れるので、ときに周囲の人にあたったり、感情が一気に爆発してしまうことも。
寂しがり屋で繊細な反面、一人の時間も大切にするなど様々な面で二面性があるといえるでしょう。気疲れしてしまうので、ついネガティブで愚痴っぽくなります。でも、取り越し苦労で終わることが多いです。想像したことを実現させられる「病」にとっては、何よりも“ポジティブ思考”でいることが大切になります。苦痛に耐えられる強い精神力もあるので、ひとつの物事を続けることができれば、どんな夢でも叶えられるでしょう。
年柱に「病」
年柱は、0歳から20歳ぐらいまでの初年期の運勢と親(特に父親)や祖父母など目上の人との関係性、先祖などの家系を表します。他にも本人の人生傾向、育ってきた環境も表し、算命学(陽占)では左肩の星にあたります。
年柱に「病」がある人は、親か、自分が病弱な傾向にあります。親が病気がちだったり、苦労をしているときに生まれやすく、あまり家庭運と健康運には恵まれていません。親との縁も薄いです。
本人自身も幼少期に病気がちになりやすいので、健康には注意が必要です。はじめが調子よくても、段々と計画通りに進まなくなるという特徴もあります。ただ、とても直感力が鋭く、芸術や芸能の才能があります。特に、音楽で才能を発揮することが多いため、素晴らしい作品を自分の力で生み出すことができるでしょう。
月柱に「病」
月柱は、20歳ぐらいから40歳ぐらいまでの青年期の運勢と親(特に母親)や兄弟姉妹、友人との関係性を表します。他にも仕事運、社会面での性格などを表し、算命学(陽占)では左足の星にあたります。
月柱に「病」がある人は、人目を気にしすぎてストレスを溜めやすい人。人当たりがよく、周囲に好かれやすい一面がある一方、少々自意識過剰な面があります。必要以上に周りの事を気にするので、とてもストレスを溜めやすく、それが原因で健康運や家庭運が低下してしまうことが多いです。波乱の多い青年期ですが、周りに助けられることも多いでしょう。
直感力と想像力に長けた「病」は、芸術や芸能関係の仕事が適職。特に、音楽関係の仕事にはとても向いています。感受性が強く美意識に優れるので、芸術家や作家として活躍できるでしょう。でも、根気に欠けるところがあるのでやる気があまり起きません。他には、人当たりのよさを活かした営業や接客業も適職です。ただ、職場の人間関係によってはストレスを溜めて、病気になってしまうことも。そのため、「病」の人は、職場の環境がとても重要です。
日柱に「病」
日柱は、40歳ぐらいから60歳ぐらいまでの中年期の運勢と自分自身と配偶者、プライベートや恋愛運、健康運を表します。算命学(陽占)では右足の星にあたります。
日柱に「病」がある人は、人に好かれやすいけど、取り越し苦労が多い人。情に厚く優しい性格なので、周囲の人に好かれやすいタイプです。でも、健康に恵まれておらず、あまり身体は丈夫なほうではありません。特に幼少期に大病を患ったり、怪我を負うことが多いです。健康管理には十分気を付けたほうがいいでしょう。親との縁も薄いです。しかし、知性に恵まれているので、趣味が高じて成功することが多いです。
恋愛面では、「病」の特徴である、合わせ上手な面からモテることが多いでしょう。社交的で相手を楽しませることができるので、思ってもみなかった相手から好意を寄せられることも多いです。ただ、気疲れしてしまうので一人の時間は必要なタイプ。感受性豊かな「病」は、その時その時でコロコロ考えが変わるので、相手によっては心変わりを疑われることもあります。安心感を与えるような結婚生活は難しいでしょう。結婚は二度以上する傾向にあり、再婚のほうが安泰ともいわれています。
時柱に「病」
時柱は、60歳以降の晩年期の運勢と子供や目下との関係、仕事上での本人の能力などを表します。
時柱に「病」がある人は、体力には恵まれない一方、感性豊かな晩年を迎えます。病気がちであまり体力に恵まれていないので、子供との縁が薄い傾向にあります。病弱な子供をもつなど、頼ることができない場合が多いでしょう。
そのため、晩年は孤独になりやすいです。しかし、感性はいつまでも若々しく、趣味などの生きがいができれば楽しく老後を過ごせるでしょう。
「病」が空亡
算命学では、天胡星中殺となります。
命式の「病」が空亡になる人は、特徴である“直感力の鋭さ”に影響を受けます。元々勘の鋭い「病」が空亡になると、その勘はさらに鋭くなります。特定の分野で勘が冴えることが多く、ピーンときた直感がかなりの確率で的中するでしょう。時系列はつかめないものの、的確で予言めいた予測ができるので、まるで霊能力者のように思われることも。
また、“病人の星”である「病」が空亡されると、普通の病人の状態ではなくなります。病気になっても自覚がありません。病気になっても休めないということでもあるため、無理をして働きやすい人です。使命感が強くなるので、限界まで肉体を酷使し、偉業を成し遂げることさえあります。ただ、「死」の一歩手前である「病」が空亡されているので、この世から突然去ることも。また、中にはワガママな言動や行動をする生意気なタイプや、自信が極端にないノイローゼになるタイプも存在します。孤独になりやすいですが、豊かな感性で芸術などを楽しむ人生が送れます。
日柱が「病」の有名人
阿部寛 石原裕次郎 太田光(爆笑問題) 岸田文雄 木村拓哉 小室哲哉 坂上忍 櫻井翔 鈴木福 菅田将暉 鳥山明 羽生結弦 山﨑賢人 米津玄師
あいみょん 芦田愛菜 石原さとみ 樹木希林 高橋みなみ 永野芽郁 生見愛瑠 藤本美貴 森光子 森山良子 矢口真里 米倉涼子