四柱推命の「特殊星(神殺)」の導き出し方や意味について解説していきます。
前回に引き続き、「特殊星(神殺)」の凶星を下記に意味と条件をそれぞれにまとめました。
魁罡(かいごう)
「魁罡」は、日干支が「戊戌」、「庚辰」、「庚戌」、「壬辰」のみ該当します。
「魁罡」は、吉凶が両極端に表れる“気性の激しさを意味する凶星”です。強烈な闘争心や優れた行動力、決断力をもつため、海外へ行くなどの大胆な行動をとりやすく、頭脳明晰で学芸に秀でる人が多いです。吉作用に働けば、闘争心がスポーツや文学、芸能などで活かされ、その道でトップになるような強運を見せるでしょう。しかし、凶作用に働けば、その気性の激しさや、大胆な行動で周りに迷惑をかけたり、目的のためなら手段を選ばないような人物になることもあります。特に対人関係でのトラブルが多く、激動の人生になるでしょう。
「魁罡」は、身が旺じるときや、「印綬」などの吉の通変星があると吉作用に働きます。吉星の「天乙貴人」と共にあるのも良いとされています。反対に、冲、刑になると凶意が表れやすく、「戊戌」と「壬辰」は「財星」、「庚辰」と「庚戌」は「官星」が命式か流年に巡ると凶作用が働くとされています。
「魁罡」を導き出す条件▼
| 日干支 | 戊戌 | 庚辰 | 庚戌 | 壬辰 |
|---|
咸池(かんち)・桃花殺(とうかさつ)
「咸池」は、命式の年支か日支から他の地支をみて導き出します。
「咸池」は、「桃花殺」とも呼ばれる“異性トラブルを暗示する凶星”です。明るく社交的でモテますが、恋多きせっかちな人なので、凶作用に働くと色情やお酒に溺れ、異性トラブルを起こしたり、遊びに耽って信用を落としてしまうような事を招きます。ですが、条件によっては吉作用に働き、愛嬌のある色気や多彩な才能で芸能界などで活躍できます。ただ「咸池」には、“水難の暗示”もあるため、水に関する事には注意が必要です。
「咸池」は、「天徳貴人」「月徳貴人」などの吉星と共にあると吉作用に働きます。命式に「正官」をもつと美男美女が多く、「偏官」をもつと水商売への適性があります。
「咸池(桃花)」は、子、卯、午、酉、の4つの地支から出されており、命式にこの4つの地支全て揃うことを「正桃花(せいとうか)」と呼びます。「正桃花」になる人は、生来の人を惹き付ける魅力をもつため、誰からも好かれるモテる人で、色情での過ちをしやすい反面、異常開運するともいわれています。命式に３つ、２つある人も、残りの地支が流年で巡ると恋愛の機会が訪れますが、色欲が強くなるのでトラブルに注意が必要です。
「咸池」を導き出す条件▼
| 年支か日支 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 酉 | 午 | 卯 | 子 | 酉 | 午 |
| 年支か日支 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 卯 | 子 | 酉 | 午 | 卯 | 子 |
駅馬(えきば)
「駅馬」は、命式の年支か日支から他の地支をみて導き出します。
「駅馬」は、“環境の変化や移動などを意味する星”です。「駅馬」は、凶星でありながら吉凶両面の作用をもち、旅行や転居、転勤、転職、親元を離れるなど遠くへ移動することを表しています。「駅馬」をもつ人は、いつも忙しなく動き回るような活発な性格で、吉作用に働けば、積極的な行動で仕事での出世が期待できます。ですが、凶作用に働くと仕事も住居も転々とするような人生になります。
命式にもっていなくても、流年に「駅馬」が巡れば、仕事か住居などに変化があるでしょう。
「駅馬」は、「帝旺」「建禄」「冠帯」などの強い十二運や、「天徳貴人」「天乙貴人」などの吉星と共にあると吉作用に働きます。
「駅馬」を導き出す条件▼
| 年支か日支 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 寅 | 亥 | 申 | 巳 | 寅 | 亥 |
| 年支か日支 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 申 | 巳 | 寅 | 亥 | 申 | 巳 |
亡神(ぼうじん)
「亡神」は、命式の年支か日支から他の地支をみて導き出します。
「亡神」は、“内部からの災いを暗示する凶星”です。同じく凶星の「劫殺」が外からの災いを暗示するのに対し、「亡神」は体の内側や精神の不調などの内部からの災い(病気)をもたらすのが特徴です。そのため「亡神」をもつ人は、神経質で病気にかかりやすい傾向にあります。また、クールな策略家な一面があり、吉作用に働く場合はその頭の良さで出世していけますが、凶作用に働くと家庭などで揉め事を起こしたりします。
命式にもっていなくても、流年に「亡神」が巡れば凶作用が働くため、その際は感染症等に注意しておくといいでしょう。
「亡神」は、他の吉星と共にあると吉作用に働きます。
「亡神」を導き出す条件▼
| 年支か日支 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 亥 | 申 | 巳 | 寅 | 亥 | 申 |
| 年支か日支 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 巳 | 寅 | 亥 | 申 | 巳 | 寅 |
白虎(びゃっこ)
「白虎」は、命式の年支か日支から他の地支※をみて導き出します。
「白虎」は、「白虎殺」とも呼ばれる“病気や事故などを暗示する凶星”です。「亡神」と同様、病気を暗示しますが、「白虎」の場合は血液に関する病気や遺伝性の病気などを表しています。また、家族との不和や事故に遭いやすいともされており、水難事故等に注意が必要です。「白虎」をもつ人は、争い事を好む一方で決断力のある勇猛果敢な人でもあり、人助けなどをしておくと不運を避けられるといわれています。
命式にもっていなくても、流年に「白虎」が巡れば凶作用が働くため、その際は事故や病気、家族とのトラブルに注意しておくといいでしょう。
「白虎」は、通変星の「印綬」と共にあると凶意が弱まります。
※「白虎」は、干支から導き出す場合もあり、その場合は「甲辰」、「乙未」、「丙戌」、「丁丑」、「戊辰」、「壬戌」、「癸丑」が該当します。
「白虎」を導き出す条件▼
| 年支か日支 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 | 子 | 丑 |
| 年支か日支 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 地支 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 | 午 | 未 |
日刃(にちじん)
「日刃」は、日干支が「丙午」、「戊午」、「壬子」のみ該当します。
「日刃」は、“配偶者を剋する凶星”です。いずれの日干支も凶星の「羊刃」と、十二運の「帝旺」というエネルギーが非常に強い組み合わせの干支です。そのため男女共に気性が荒く、配偶者と揉め事を起こしやすいなど、結婚運に難があります。ただ、条件によっては上記の傾向は薄まります。
「日刃」は、冲、刑、害になると凶意が強くなりますが、「官星」があると凶意は弱まります。
「日刃」を導き出す条件▼
| 日干支 | 丙午 | 戊午 | 壬子 |
|---|
淫欲殺(いんよくさつ)
「淫欲殺」は、日干支が「甲寅」、「乙卯」、「丁巳」、「戊戌」、「己未」、「庚申」、「辛卯」、「癸丑」のみ該当します。
「淫欲殺」も、「紅艶」や「咸池」と同様“異性トラブルを暗示する凶星”です。淫欲という文字通り、色欲がとても強いとされ、複数の異性と関係をもつうちに異性トラブルを招きやすいです。また、ワガママな性格で、特に兄弟間で揉めることが多いです。
「淫欲殺」を導き出す条件▼
| 日干支 | 甲寅 | 乙卯 | 丁巳 | 戊戌 |
|---|---|---|---|---|
| 日干支 | 己未 | 庚申 | 辛卯 | 癸丑 |
懸針殺(けんしんさつ)
「懸針殺」は、日干支が「甲午」、「甲申」、「辛卯」のみ該当します。
「懸針殺」は、「白虎」と同様“病気や事故などを暗示する凶星”です。「懸針殺」の場合は、突然の事故に遭ったり、怪我をすることが多く、病弱で持病を抱えやすい傾向にあります。特に眼に関するトラブルには注意が必要です。ただ、集中力や洞察力に優れており、その能力を仕事で活かすことができます。
「懸針殺」を導き出す条件▼
| 日干支 | 甲午 | 甲申 | 辛卯 |
|---|
妨害殺(ぼうがいさつ)
「妨害殺」は、日干支が「乙卯」、「乙酉」、「戊子」、「戊午」、「己卯」、「己酉」、「辛酉」、「壬子」、「壬午」、「癸巳」のみ該当します。
「妨害殺」は、“物事が順調に運びにくいことを暗示する凶星”です。最初は物事が順調に運んでいても理想通りに進みにくい傾向にあります。特に結婚運、家庭運に強く表れ、異性トラブルや、配偶者の実家との諍いがあるとされています。女性の場合は、病気がちになりやすいともいわれています。
「妨害殺」を導き出す条件▼
| 日干支 | 乙卯 | 乙酉 | 戊子 | 戊午 | 己卯 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日干支 | 己酉 | 辛酉 | 壬子 | 壬午 | 癸巳 |
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